わたしのからだはここにはいない
真っ白な部屋のちょっとしたはざまにおちこむと
みぎてがひっぱられ ひだりてがねじれる
わたしのからだはあちこちにいて ひとがなでさすってくる
私が吸う空気のなかにいる悪霊たち
そんなからだをみているからだはここにいる いやだといってもいるらしい
いとしきものよ などと声をかけてくる 私の身体は絶対的にここにいるのだ
と言わせたくて
いないよ という私は とうのむかしから眠り込んで悪夢をみている
そいつの夢を
おきあがるとたちまちそとにふきとばされる
そいつが嘲笑する
覚醒にずだずたに切り刻まれた悪夢
わたしのめざめとともにわたしのからだにはいりこみここだよいまだよとさけぶのだ