廣瀬浩司:授業資料格納所

授業用レジュメの残り物

メルロ=ポンティの奥行き概念

メモ
1)マルローの芸術論について
かつての宗教芸術 → 「古典時代」(ルネッサンス以降)の世俗化(近代)=表象(représentation)の時代 → 現代における「主体の回帰」(宗教へのノスタルジー)という図式をメルロ=ポンティはどのように批判しようとするか
2)ルネサンスの透視画法による絵画は客観的で、現在の絵画は「主観的」「ひそかな生」と言ってよいのか。

3)ルネサンス以降の絵画は、質(触覚的価値)や奥行きや運動を「記号化」してしまう。その「客観性」への信憑。だが古典的絵画もそれだけではない。
4)マルローは「感覚的所与」は歴史的に変化しなかったように語る。しかし古典的な透視画法の規則は、ある種の歴史的発明である。
5) 「自由な知覚には<みかけの大きさ>なるものはない。近い物と遠い物には「共通の尺度」はない。距離はいわば「質」のようなもの(ワロン「超事物(ultra-chose)」
6)以下については「事物たちの、私たちの目の前での競合、紛争」→ 解決としての「深さ」=「奥行き」。「物たちは私の目を競って奪い合う」「ひとつのものを見るとほかのものの促しを感じる」俯瞰できない世界。