廣瀬浩司:授業資料格納所

授業用レジュメの残り物

先端文化学研究


フーコーにおける規範概念。
1) norm : 規範、水準、平均。権力はnormalisationするもの。ある水準や平均からの逸脱を作り出すことによって、より細やかな「訓練=規律(discipline)」を可能にする。
・ 「逸脱はなくさなければならない」しかし「逸脱がなければ権力は作動し続けることができない」。
・ つねに新たに逸脱を生産し、「矯正されるべきもの」「消えてなくなるべき」ものとして、新たに作り出され続けられなければならない。例)汚辱のクラス(『監獄の誕生』pp. 185-186.)
2) normは主体に、外から課せられるものではない。むしろ主体のひとつひとつの行為に「内在」しているものである。例)両生類が陸に上がって、歩くためのnormを次第次第に学んでいくこと。エクササイズの過程。自己に対するたえざる働きかけ。「振る舞いを導く」(conduire la conduite)。
3) normと空間との関係? 細分化される空間。等質な空間ではなく、異質性がつねに作り出される空間の配分。→ 情報(「知」)のストック。
4) 「主体」との関係:権力—知に対して、主体はみずからを「逸脱者」「狂気の主体」「性的主体」として認めるようになる。「自己という鏡像=分身」にたえず問いかけられる主体。

権力への抵抗?『性の歴史 I──知への意志』フーコーの回答はあいまいに思える。
・ 権力が至るところにあるのと相関して、抵抗点も至るところにある。「権力の関係は、無数の多様な抵抗点との関係においてしか存在し得ない。抵抗点は、権力にとって、勝負の相手、標的、支え、捕獲のための突出部」(123)
・ 「そしておそらく、これら抵抗点の戦略的コード化が、革命を可能にするのだ、いささか、国家が権力の関係の制度的統合の上に成り立っているように」(124)???
・ 「学ぶ側の自己創出的な自己変容」(田中智志『教育思想のフーコー』)
ヘテロトピア論」の読み直し。
・ 墓地の例。近代化のパラドックス
権力諸関係と「自由」