廣瀬浩司:授業資料格納所

授業用レジュメの残り物

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

河本英夫「障害の傍らを通り過ぎる」、『現代思想』(青土社)、vol. 38-12, 2010年10月号。

河本英夫「障害の傍らを通り過ぎる」、『現代思想』(青土社)、vol. 38-12, 2010年10月号。・「障害を生きることの底なしの深さ」(174)。 距離のなさ(自己触発)(cf. 時間意識)。 距離のなさにおける気づき(awareness)。行為のさなかでみずからに出…

木村敏論のためのメモ2:時は流れず

氏の思想である意味もっとも現象学的であるのは「タイミングと自己」という論文である。そこで彼は、時間を三つの位相に分ける。ひとつは「父母未生の生」という時間以前の時間。これは形而上学的前提というよりは、現象学的な記述が深まるにつれて、「なか…

木村敏論のためのメモ

木村敏氏の著作をはじめて講義で正面から扱って印象に残ったのは、私の専門ではない精神医学プロパーの議論でも、その哲学的思索そのものでもなく、ひとりの患者を前にして行為する氏のアクチュアリティである。もちろん哲学的思索も刺激的だが、それをドゥ…

木村敏『からだ・こころ・生命』II-5「医学への主体の導入──二人称の関係の共有」

木村敏『からだ・こころ・生命』II-5「医学への主体の導入──二人称の関係の共有」・他者の死がアクチュアルで主体的な出来事として体験されること → その両義性。過去と未来の境界で起きる出来事・二人称的アクチュアリティ。自他の差異、自他の境界がそれ自…

メルロ=ポンティの「死」についての考え方

自分の生について反省するあらゆる人にとって、自分の生を<私的な意識状態の系列>とみなす原理上の可能性があるのはたしかだ。白人文明の成人はそう考える。しかしそのように考えられるのは、このような日常的で系列的な時間を跨ぐような諸経験を忘れてし…

時間を与える メモ

贈与の主題cf. 「時間を与える」(『他者の言語』法政大学出版局所収)(1) 円環=交換と贈与 マルセル・モース(1872-1950)の「贈与論」:ポトラッチ。贈与の持つ「力」。マナという物の持つ呪術的「力」 レヴィ=ストロースの構造主義:交換のシステムの一…

ドゥルーズにおけるヴァーチャリティと木村敏におけるヴァーチャリティ:リズム論へ向けて

前回の抜粋 1 「生きている」アクチュアリティ 「アクチュアリティ」:「非・不連続性」 ○ なぜ「連続性」と言わず「非・不連続性」と呼ぶか(57-58) → ドゥルーズはこのようなものを「非人称的」で「問題的」(問いを投げかける)で「特異性の生産」を孕ん…

引用のしかた

引用のしかたについて http://researchmap.jp/muvad5cb1-1849043/?action=multidatabase_action_main_filedownload&download_flag=1&upload_id=71068&metadata_id=73369