木村敏『からだ・こころ・生命』II-5「医学への主体の導入──二人称の関係の共有」
・他者の死がアクチュアルで主体的な出来事として体験されること
→ その両義性。過去と未来の境界で起きる出来事
・二人称的アクチュアリティ。自他の差異、自他の境界がそれ自身として現実的な意味を持つ。
・ハイデガーの「死の各死性」。「このうえなく自己自身のものでもあり、他との関係を絶した、追い越し得ない可能性」
・集団における死の共有。「死の連帯性」というアクチュアルな現実。
・非—不連続的な「生命そのもの」のアクチュアリティ→個別者から見ればこれは「死」のアクチュアリティでもある、「すべての生きものがそこから生まれ、そこへ向かって死んでいく「死」のアクチュアリティ(89)
患者の生と死を自分自身のアクチュアリティとして生きること=患者との境界を自分自身のものとして生き、患者との関係を患者の主体として扱う(90)