廣瀬浩司:授業資料格納所

授業用レジュメの残り物

戦うフーコー:フーコーは何をしたかったのか


監獄は周縁へと追いやるが、周縁的ではない
解決:
従来型:法の乱用の除去、改革の連続(+心理学、医学、精神医学)
・犯罪を予防し、減らすようにする(治安)
フーコー
・ 総体を考え、現実を見る、何も自明だとしない。
・ 公衆安全のための予防は、処罰の機会、あり得べき犯罪を固定。
・ 「われわれの社会において<処罰されうるもの>についてのエコノミーの再考
・ 公権力と、処罰する権利の実践の関係
② 
・ 欲望の解放ではなく、自身が快楽を受け入れやすくすること
・ 性の消費ではなく「友愛」
・ 「生の様式」:
—もろもろの性の実践を経由して、どうすれば関係の体系に到達できるか。

  • 階級、職業、文化水準を横断する

・ 60年代の闘争との違い→「関係の、感情の潜在的可能性のかずかずをふたたび開く歴史的な機会」「社会的生地に斜めの線を引くことが、それを可能にする」

・「何をすべきだ」ではなく、「何をすればよいのかわからない」ようにすること。自明な振る舞いを危うくすること
・ 行動のぎこちなさ:問題全体への目覚め。
・ 現実に変容をおよぼす実行の主体。紛争をつうかしたうえで批判を現実に働かせること。

社会学的問題(犯罪人口)でも法学的問題でもなく、処罰の実践
道徳の系譜学:道徳的テクノロジー。「どのようにして処罰するのか」の分析をとおして「何が、なぜ処罰されるか」を考える。狂気/非狂気、正常/異常の分割
・ 実践:ある何らかの瞬間に、そのような実践を受け入れ可能としている諸条件を把握する。実践固有の規則性や戦略や自明さを持つ。「実践の体制」の分析。振る舞いのプログラミング(強制とコード化:真理を語らせること)を分析。
・ 投獄の偽りの実践にゆさぶりをかけて、不安定化させる。ごく最近の歴史的プロセス。
・ 「出来事化」:「自明性の断絶」「自明性へと依拠させられる地点で、<特異性>を出現させる。そこにおける「力のゲーム」を見出し、因果関係を遅らせる。


・ 明証性が失われる瞬間:微妙で秘められているが決定的。捉えにくくく、意識化が遅れる。
メルロ=ポンティの「明証性の倫理」

  • 自分自身の明証性に安住しないで眠らせない
  • ひとつの事実でそれが変わると思わない(「イデオロギー批判」批判)
  • 流動性:物事を遠くから、間近から、周囲において見ること。
  • 親しくもあるが、よく知られていない地平に取り囲まれている。
  • どんなに儚い瞬間にも源泉がある。