廣瀬浩司:授業資料格納所

授業用レジュメの残り物

2017-11-04から1日間の記事一覧

観世寿夫の井筒から

身体とは「起こらなかったことがありえなかったような出来事」が到来する場である。記憶を越えた過去の出来事でありながら、それは現前野において、いわば目の前に繰り広げられていく。私たちはいわば後ずさりするようにして、この出来事に遡っていく。現在…

歓待について

「『歓待』って要するにおもてなしのことでしょ。別にデリダに聞かなくても日本は歓待の国なんじゃないだろうか」 「....」 「わざわざ歓待とか言うのは、ヨーロッパがそれだけ植民地主義だったからじゃないだろうか」 「...」 「アジアにかぎったとしても、…

セザンヌの懐疑2

(つづき) 「そうかも。いずれにせよ、あなたの言うように、受動的感覚と能動的統握の交差点に、セザンヌのイメージの技法が位置している。彼が創発の可能性を賭けるのもそこだ。そのために過去の技法と、最新の科学を投げ込んでみてもよい。だが技法と科学…