廣瀬浩司:授業資料格納所

授業用レジュメの残り物

2016-01-01から1年間の記事一覧

先端文学演習1

1)問い:2004年に死亡したジャック・デリダの思想は、その文章の難解さも手伝って、急激に読まれなくなった。テロリズム、移民の問題、「来たるべき民主主義」など、きわめて現代的な問題を扱っているにもかかわらず、その思想はごく一部の研究者には…

大学院 科学文化論シラバス

教育目標・授業の到達目標フーコー『真理と裁判形態』をフランス語または英訳で読みながら、彼の権力論と真理論との関係を探る。テクストはプリントで配布する。ニーチェの真理論の受容、「自己の真理を語る、こと」の意味などが主題であるが、中心となる『…

3月24日研究会まとめエッセー

キアスム装置はどこにでもあり、どこにでもない場所と時間で作動し続けている。偶然の出来事として自己を貫いたかと思うと、ある種の「宿命」のような必然性として、私をこの世界の底なき底に沈みこませる。私の現在の生に意味はあるのか、ないのか。現在と…

研究計画の書き方(1年生用)

(参考1) 研究計画の書き方(これを参考にレポートを書く癖をつけてもよい) 論文題名:「ロラン・バルト芸術論研究」 副題:そのミクロな感性の普遍性に注目して ○ 論文題名は種に研究対象のみを明示して、あまり色をつけない。 ○ 副題は、筆者の視点や方…

『眼と精神』まとめ及びレポート

コメントより ・「存在するけれど触れ得ない境界」(デリダ)。Cf. デリダ『盲者の記憶』) ・線というより「腺」や「筋」。内的にある、からまった無数の筋をすくい上げてキャンバスに貼っていく。(水槽の筋を救う→グロテスク芸術)→ cf. 加賀野井秀一『猟…

触発する/される身体  ――障害学、人類学、美学の観点から

触発する/される身体 ――障害学、人類学、美学の観点から講師:田中みわ子(障害学)、吉田ゆか子(人類学) 増田哲子(美学) 時間:3月26日(土) 15:00 – 17:30 場所:人文社会科学系棟A101学類生の方の参加も広く歓迎いたします。趣旨 _________________…

コメント ・現代絵画は画家の自問自答?→ 世界が世界自体に問いをなげかける(『見えるものと見えないもの』) ・フェルメール<真珠の首飾りの少女>。絵にふさわしくない椅子を移動 ・デカルト:空間の理念化。メルロ=ポンティ:空間を実験場とする。観察…

デカルトとメルロ=ポンティ

ここまでの段落では、 ・イメージの認識が身体の運動に結び付いていること ・見る者と見えるものの可逆性、交差点に、人間の身体はある(76) ・視覚ものに取り巻かれ、そのなかで生起する(73) ・「身体の謎」:物と身体は同じ生地、視覚は物の中で起こる…

オートポイエーシス2001 河本英夫

コメントより ・「AをBとして知覚せよ」。作品を作品として成立させる条件の提示。意味形成の「可能性」が鑑賞を可能にする。思考や批評の対象ではない。 ・「ある作品には意味理解の境界線上に立つ行為主体を境界線のむこうがわへと押し出してしまう動力が…